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次の日から、亜希は沙織と絢と玲奈の四人で行動することが多くなった。
高校生活には慣れないことも多く、移動教室で校内を迷ったり、休み時間を勘違いして先生に怒られたりもしたが、その分休み時間には思い切りはしゃいだり、笑ったりした。
ときに四人のうちの誰かになにかあったときは、他の三人で真剣に話を聞いてアドバイスをしたり、なぐさめたりした。
中学時代とは違う学校生活は、毎日が新鮮で楽しく、過ぎていくのが早かった。
忙しい毎日を過ごし、気付けば不安と期待混じりで迎えた入学式から約一ヶ月がたった。
そんなある日のお昼休みのこと。
絢が深刻な顔をして亜希に問い掛けた。
「そういえば亜希、彼氏さんとはどうなの?」
「…ぇ?どうって?」
「だから、最近会ったりしたのか聞いてるの!!」
「…ぁ、そうゆうこと。会ってない」
その言葉に三人が声を揃えて
「「「えーっ?」」」
と発した後、
「メールは?毎日くるの?」
「会いに来てくれないの?」
「休みに遊べないの?」
などと思い思いの質問を並べ立てた。
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