悪態感

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そのメールには画像が貼ってあった。その画像は魔法陣のようなものが書いてあり下に小さく【これを正方形の紙に写して幻想郷へ行きたい気持ちを声に出してネ】と書いてあった。 なんだこれは……… こんなメールがくるのに心当たりが無いというと嘘になる。このパソコンの履歴は【暗黒の泉】や【漆黒の方舟】など非常に痛々しいタイトルだ。別に興味があるわけではなくて現実的では無いものを求めているだけだ。 「くだらねぇ……」 吐き捨てるように言った。しかし、有り得ないと決まっていれば結構楽で興味はあった。 「折り紙とかでいいよな」 机の引き出しを開けたり閉めたりした。折り紙など小学生ぶりだった。 最も興味がわいたのは【幻想郷】という場所だった。さぞかし幻想的なんだろう。まぁどこでも構わなかった 「あったあった、白でいっか」 ここ以外は。 丁寧に写していく。定規やコンパスなどを使った。記号みたいでよく分からない文字や謎の一文字に尽きる絵も全て写した。 完成した。我ながら結構上手いと思った。それを持つと透かすように窓の方にかざした。椅子の軋む音が大きく聞こえた。
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