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「あの、冗談ですよね?異世界だなんて・・・・ははは」
「?何を言いたいかわからないけど、貴方が望む解答は出せないことだけはわかるわ・・・・っ!!」
その時、微かに遠くの桜が揺れた。
幽香は何かの気配を感じたのか、傘を開いて龍也に背を向ける。
まさか・・・・本当に異世界だとは・・・・いや、薄々わかってはいたんだよな。あの時、親父とわかれを告げるときに、なんとなくわかってはいたんだ・・・・
諦めた様子でここは異世界ということを認め、改めてここの世界の事を聞こうと顔を上げようとすると。
「下がって」
「っえ?」
「いいから下がってなさい」
突然幽香から命令された。
しかし、その剣幕からは有無を言わさない雰囲気が出ている。龍也は生唾を飲み、幽香の視線の先を見る。
そこには、二足歩行をした体のでかい狼や、頭が二つに別れた狼がこちらを獲物を見つけた目で狙っていた。
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