幻想入り

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真夜中の夜空に満月が光り輝き、その光は大地を照らし、涼しいそよ風が草木を優しくなでる。 ここ『現実世界』では静かな時が流れていた。 それは、嵐の前の静けさだったのかもしれない--。 今、季節は秋、現在は真夜中である。 とある何の変哲もない町に「三ツ巴神社」(みつどもえじんじゃ)と呼ばれる神社がある。至って普通の神社だが、ただ違うとするなら、御社(おやしろ)がやけに大きいところだ、家二軒分もあるのではないかと疑ってしまうほどの大きさである。 そんな御社の奥には神職が住まう母屋があり、その一室に、首に三つのマガダマが連なって並ぶ首飾りをかけた少年がいた。 少年は寝息をたてながら静かに寝て・・・・ ガバッ 「・・・・腹が痛てぇ!!!」 修正、現在起きたところだ。 少年は急ぐように起き上がると、物凄い勢いで障子を開き、慌ただしく部屋を出て行った。
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