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何かの予兆を表すであろうその札を構えながら幽香は、予兆の合図を口にする。
「幻想郷の開花」
幽香が言葉を発した刹那
いく千もの光り輝く黄色の弾がその札から放たれた。その弾道の軌跡(きせき)はまるで花のように軌道を描く。
それは花火のような、無数に飛ぶ蛍の光のような。
放たれたそれは攻撃というより手品のようにも感じてしまうほど優雅で美しい。
適当ながらも規則正しく放たれる弾に龍也は息を飲まれた。
「・・・・すごい」
もちろん、そんなものが直撃した当の敵は無数の弾をくらいボロボロになって地に伏していた。
その現場を見て一安心した龍也はホッと息を吐き、幽香に感謝する。
「助けてくれてありがとう、でも今の綺麗だったのはいったい・・・・」
「あら?ふふふ、驚いたかしら?今のは『弾幕』と呼ばれるものよ」
「弾幕・・・・」
さっきのは『弾幕』っていうのか・・・・この異世界、いや『幻想郷』ではこれは普通なことなのかもしれない。魔法か何かで無数の弾を放って、さらに弾がそれぞれ意味のある行動を起こしながら敵に攻撃をくりだす。
やられた敵を見るかぎり『美しくも残虐な世界、それが幻想郷』なのかもな。
そんな思考をしていた龍也に幽香は告げる。
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