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龍也は急いでトイレを飛び出した後、走りながら恐る恐る後ろを振り返りトイレを見るが、来た時と変わらない様子だった。
何もない様子に少しは安心しッホっと胸を撫で下ろす。
「一体なんだったんだろうな・・・・」
そう呟いて不意に空を見上げる。無数の星と一緒に・・・・いや、それ以上に輝く満月は、いつも以上に大きく感じた。そんな夜空を眺めながら。
ふと足が止まる。
それは何の因果(いんが)か、何の運命か、何を意味するのか。
今立っているのは神社自慢の家二軒分もある『御社』の丁度、目の前。
「なんか・・・・嫌な予感がする・・・・」
『何か』がひしひしと体に伝えてくる感覚が神経を伝い、鳥肌が立つ。
そこには恐怖だけでなく、好奇心や高揚感といった場にそぐわない感情さえも体を支配するかのように駆け回る。
「なんだ?なんなんだ?何が来る?」
不思議な事態に戸惑いながらも、とあることに気付く。
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