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「…ねぇクリフ?また聞いてもいいかしら?」
「何だ?またその質問か?何度も聞いても同じだぞ?」
「じゃあ聞くわよ?クリフって出身どこ?」
「出身はイギリスのロンドンだ。何度も言っているだろ?」
「本当に?」
「本当だ」
クリフはすがすがしい位にきっぱりと言い切る。
「…う~ん」
私は心に渦巻く一つの感情を一点に溜め込む。そして…
「嘘つけーーー!!」
それを一気に吐き出す。クリフはいつも事なので別段、気にする様子はない。
「その黒髪!その茶色の目!そしてさらにその黄色い皮膚!どう見てもアンタ…」
クリフは呆れたようにその先も聞き流す。
「日本人だろうが!」
「だから何度も言ってるだろ?父親が日本人なんだよ」
「…あれ?私が前に聞いた時は母親って言ったと思ったけど?」
「うん?そうだったか?まぁどっちでもいいだろ?」
「どっちでも良くない!そうやって意地になっているのもムカつくし!」
「別に意地になっていない。俺はイギリス人。それだけが真実だ」
「何勝手にまとめてんだコラ!はっきりしろ!」
「全く、今日はヤケに荒れてるな?あれか?今日が休日だからか?」
「休日?…ああそういえば今日学校休みか!…って話そらすな!」
そうなんです。私は学校が好きなんです。
学校には私の存在を認めてくれる人が沢山いるから。
世間の高校生は嫌って言うけど…
そんな学校も後5日で夏休みか…
みんな夏休みは楽しみって言うけど私はそんなに好きじゃない。
別に遊ぶ相手もいないし。
まぁのんびり昼寝でもしますか?
そんな事を考えている内に急に眠気が襲ってきて、
私は車体に揺られながら深い眠りにつくのであった…。
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