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(恵理子…恵理子…)
誰かが私を呼んでいる。誰だろう?こっちは眠っているのに…クリフかな?
(恵理子…恵理子!)
んもぅウルサイな!本当にまだ眠いのに…しょうがない、そろそろ起きてやる…
「恵理子!起きろよ!」
……あれ?クリフ…?
目を薄く開ける。すると眩しい陽光が入ってくる。明らかに車の中ではない。
目を完全に開けると、見えてきたのは教室の机に学校の引き戸。
…ああ、ここ学校か。
ぼんやりとした記憶を辿ってみる。
あの日からもう4日位たっていた。
う~ん暑さのせいだろうか?今いち記憶が判然としない。
いけないな~将来ボケるんじゃないかな~私?
やっぱ今から脳みそ鍛えておかないと…
「おーい!恵理子!」
ああそうだ、誰かに呼ばれてたんだけっけ?えっと…
声のするほうを向くと二人の男子学生が見えた。…ああ何だ。
「亮太に勘治じゃない。何か用?」
「何か用じゃないよ!さっきから呼んでるのに無視するんだもん」
こんな事を言うこいつは荒井 亮太。
私の数少ない友人の一人である。
見た目はポチャリ系でチビ。眼鏡を外すとけっこう童顔なのだか、普段の印象は悪く言えば眼鏡デブである。
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