カウント~1年目初春~

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与倉東だった。 するとオジサンは警官姿の東に驚いたのか、一度シャクリをあげると晴火の手を離しソソクサと逃げて行った。 逃げ去ったオジサンを確認すると、不意に晴火の方を振り返ってきたので一瞬ビクついてしまった。 しかし、東の顔を見た瞬間ホッと胸を撫で下ろした。 「あの……ありがとうございました…」 「別に…仕事だし」 それだけ交わすと二人の間には沈黙が降り、なぜか東は去る気配がない。 晴火の前に佇んでいるので晴火は顔があげられない。 しばしの沈黙の後、周りの祭りのザワつきに紛れるようにポツリと言った。 「ピアス……つけてくれてるんだな…」
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