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ガチャッ…
「ただいま…」
家の扉を開き、玄関でショートブーツを脱ぐと真っ先に二階へと上がる。
そして自分の部屋を通り越し兄、鷹右の部屋の向かい部屋の前に立つ。
コンコン…
ノックをする。
はい…、中から声がしたのを確認すると晴火は扉を開けた。
「ただいまお母さん…仕事が少し長引いて遅れちゃって…」
扉を開けた向こうにはベッドの中に体を沈めた母親の姿があった。
痩けた顔に骨張った腕。
そして掛け布団の上に置かれた左手には、点滴が繋がっていた。
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