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「捺善は幸せじゃないの…?」
捺善は幸せだよ、と笑うとソッ…と背後から晴火の頭を撫でた。
「でも晴ちゃんは俺みたいに無職な男じゃなくてさ……鷹右みたいなしっかりした男と結婚して幸せになって欲しいよ」
その言葉に、幸せだと言っていた捺善が「俺は幸せじゃない」と言ってる気がした。
見上げると捺善は何だか淋しそうに笑うから。
「捺よ……」
瞬間
ガチャリ…
「ただいまー」
台所の横にある扉が開かれ、鷹右が仕事を終えて帰ってきた。
すると捺善の先程まで淋しさを帯びた微笑みは無く、変わりに無邪気な笑顔が鷹右を迎えた。
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