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晴火は、もう少しぃ…と炬燵の暖かさをじんわりと感じていると不意に思い出す事があった。
「…お母さーん」
「なぁに?」
「大婆ちゃんが亡くなったのは確か冬だったよね?」
「…あら?そうだったかしら」
「そうだよ。たくさん雪が降る廃村の近くに住んでたじゃん」
「そうだったかしら?」
先程から母親の返事はあしらうみたいで、短い興味なさげな返事。
けれどソレは、尋ねた晴火も同じだった。
生きた大婆ちゃんの記憶は全く無くて、葬式で死体を見たのが初めての記憶。
幼い子供に悲しくないのに泣けなんて無茶なオーダーしてた父親。
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