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私は右手を兄に引かれながら振り返ると、複雑に絡み合った鋼糸鉄線を張り巡らせた高い壁が白い雪の中佇んでいた。
私は兄に引っ張られて前を向く。
ジャンパーの下に黒い喪服を着た二人は、廃村の方へと歩いていった。
ザッ……
黒いハイヒールが茶色の土混じりの雪を蹴った。
「もうすぐ……10年だよ鷹兄」
私…あれから大人になったよ
もう罪を犯しても悪戯じゃすまされないくらい大きく…
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