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今年もこの季節がやって来た。
そう思ったのは、ベンチで座る私の前の木が枯れ葉となって舞い落ちたから。
マフラーを巻き始めてもおかしくない今日の気温を肌で感じていた。
ベンチに座っていたのは二十歳くらいの女性…
ショートの髪が良く似合う大人っぽい雰囲気を持っていた。
「ごめーん晴火!遅れたぁ!」
晴火…と呼ばれた女性は、慌ててベンチに走ってくる可愛らしいまた二十歳くらいの女性を見て頬を膨らませた。
「おっそいよ夏世!夏世が買い物行きたいって言ったから寒空の下で待ってたんじゃん!」
晴火と呼ばれた女性は、ワザとらしく両腕を抱えて震えて見せる。
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