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―犠牲者―
カーンとくじが落ちる音が鳴り響いた。
生を引いて安心する人と殺を引いてため息をつく人そして死を引いて立ち上がる気力をなくす人がいる。
「ゆう・・桑田くんは何だったの?」
佐々木先輩が聞く。誰も聞こえていなかったのだろうか私にはゆうという言葉が聞こえた。付き合っているのだろうか?
「殺だ。」
「そう。死を引いたのは?あなたとあなたね・・・」
その先にいるのは高1だろう。まだ若いこの2人が選ばれると誰も思わなかっただろう。そしてもう一人は私と同じクラスメイトのあまり目立たない新崎涼子だ。顔はいつも暗いがずっとくじを見ている。
「恨まないで・・私たちも死にたくないから犠牲になってもらうね・・」
佐々木先輩が恐ろしく感じた。死にたくないならゲームに参加。このとき私はそう考えた。
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