君がいたから◆第1部◆

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…気まずい。 沈黙の時が流れ、払拭するようにユイが口を開いた。 「アッシュ、何をしてたの?」 ユイはいきなり核心をついてきた。 どう答えればいいんだ? お前のことを考えていたら眠れなかった…とか…。 死んでも言えるか! 「お前こそ…。」 オレは思わず聞き返した。 「この前、世界樹のところに行ったら、様子がおかしかったの。黄色く光ってて…だからキールに調べてもらってたんだよ。」 世界樹…それにしたって、こんな時間まで…。 頑張りすぎにも程があるだろ。 「とにかくもう休め。」 やっと出てきたセリフがこれか…オレは…。 ユイはうん。と頷き、目を擦る。 「おい、足元気をつけろ…。」 夜の機関室は暗い。 「うん…っ、うわっ!」 案の定、配線に足を引っ掛けたユイをオレは思わず支えた。 ドサッという音と共に、オレは尻をついた。 「…った…だから気をつけろと…。」 と、言いながらオレは覆いかぶさってきたユイに驚いた。 スピーという寝息を立てて…寝てやがる。 …どうしてこの状況で寝れるんだ…。 オレの膝で安心しきったような寝顔を見せるユイに、オレは思わずドキッとした。 上着をユイにかけて、フッと思わず笑ってしまった。 …それよりオレはどうすれば…。 と思いながらも、こんな状況も悪くない。とオレは思っていた。 「やれやれ。…リッドの部屋ででも寝かせてもらうかな。」 陰から見ていたキールがそうつぶやいたことも、オレには知る由もなかった。
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