君がいたから◆第1部◆

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「あのさ…何かイリアから…。」 それを聞いた途端、ルカが完全にキレた目をした。 …な、何だ?何を怒ってるんだ!?コイツ! 「イリアなんか知らないよっ!!今その名前を僕の前で言わないでっ!」 さっきまでの怯えた感じはどこへやら…すっかり怒りの炎…(見えた気がした)を噴き出したルカは、オレの前から去った。 「イリアとルカ…ケンカ中なんだよ。…タイミング悪かったな、アッシュ。」 ユーリがそっと手を置く。 …おとなしい奴がキレると怖いってホントなんだな…。 「あまりお節介は好きじゃないが、オレが聞いてこようか?」 ユーリは、不甲斐ないオレにそう言ってくれた。 が、オレは首を振った。 ユーリはそっか。とそれ以上は何も言わなかった。 オレはコイツのこういう空気を読めるところが好きだ。 数日後。 オレは調査の依頼をリフィルから受けて、世界樹に行くことになった。 …そういえば…。 オレは少し前に、キールとユイが話していたことを思い出して、ユイを捜した。 …いた。 運の良いことに一人だった。 「ユイ。」 オレが呼ぶと、ユイはこちらを向いた。 「どうしたの?アッシュ。」 オレの数日間の悩みなんかゼンッゼン知らないんだろうな、コイツは。 のんきな声を出しやがって。 「リフィルから世界樹の調査を頼まれたんだ。あの…。」 オレは言葉に詰まった。 「あたしも一緒に行っていい?」 オレが言うより先に、ユイはそう言った。 「あ、ああ。」 元々お前を誘いに来たんだからな。
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