君がいたから◆第1部◆

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そんなオレの気持ちなんか知るはずもなく、ルークはオレに話しかけてきた。 「アッシュ、怪我はもういいのか?」 オレは奴の質問に答えなかった。黙って下を向くと、ユイが代わりに答えた。 「まだ治りきってないのに、アッシュてば無茶ばっかりするんだもん。ルークからも何か言ってあげて?」 ユイが言うと、横で聞いていたパニールが言った。 「まぁアッシュさんは鍛えてますもの。大丈夫ですよ。」 ふふふっと優しく笑うパニールは、オレの前に飲み物とケーキを置く。 「アッシュさんはエスプレッソでしたわね。はいどうぞ。」 何で少ししか一緒にいないのに、オレの好みを知り尽くしている…。 オレだけじゃない。 ここにいる奴ら全員の好き嫌いを把握しているんだ。このパニールは…。 「アッシュ、大丈夫か?」 横から静かにそう聞いてきた。 コイツはユーリ。 無駄口は叩かないし、強い。コイツも信用できる。 クラトスいわく、コイツは他の奴らとはなんというか「格」が違うという。 オレもそう思う。 「たいしたことはない。アイツが騒ぎすぎなんだ。」 オレは、ルークと話しているユイを見ながら言った。 「まぁ、一緒に行ってお前が怪我したんだから、責任を感じてるんだろ。」 ユーリはフッと笑いながら言った。
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