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そんなオレの気持ちなんか知るはずもなく、ルークはオレに話しかけてきた。
「アッシュ、怪我はもういいのか?」
オレは奴の質問に答えなかった。黙って下を向くと、ユイが代わりに答えた。
「まだ治りきってないのに、アッシュてば無茶ばっかりするんだもん。ルークからも何か言ってあげて?」
ユイが言うと、横で聞いていたパニールが言った。
「まぁアッシュさんは鍛えてますもの。大丈夫ですよ。」
ふふふっと優しく笑うパニールは、オレの前に飲み物とケーキを置く。
「アッシュさんはエスプレッソでしたわね。はいどうぞ。」
何で少ししか一緒にいないのに、オレの好みを知り尽くしている…。
オレだけじゃない。
ここにいる奴ら全員の好き嫌いを把握しているんだ。このパニールは…。
「アッシュ、大丈夫か?」
横から静かにそう聞いてきた。
コイツはユーリ。
無駄口は叩かないし、強い。コイツも信用できる。
クラトスいわく、コイツは他の奴らとはなんというか「格」が違うという。
オレもそう思う。
「たいしたことはない。アイツが騒ぎすぎなんだ。」
オレは、ルークと話しているユイを見ながら言った。
「まぁ、一緒に行ってお前が怪我したんだから、責任を感じてるんだろ。」
ユーリはフッと笑いながら言った。
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