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ユーリは笑いながら話しを続けた。
「アッシュ、変わったよな。」
オレはユーリの言葉に首を傾げた。
何が変わったというんだ。オレは特にそんな自覚はないが。
「まぁ、ユイの影響なんだろうけどな。…前より目が優しくなってるよ。」
そんなふうに言うユーリに、パニールはコーヒーを置く。
「私もそう思いますよ。アッシュさん、以前よりずっと優しくなってます。」
聞いていたのか…。
優しくなった。
笑うようになった。
そんな自覚なんかもちろんなかった。
オレは…。
昼過ぎ。日も傾き、仕事に出ていた奴らも徐々に戻ってきた。
オレが甲板に出ると、ユイは剣を握りしめて瞳を閉じている。
立ち上るオーラは、夕日に溶け込むような綺麗さを放ち、オレは思わず見とれた。
改めてコイツがディセンダーで、オレなんかとは違うことを思い知らされる。
「ユイ。」
オレは無意識に声をかけていた。
「アッシュ。いつからいたの?」
ユイはオレにそう聞いた。
「…さっきだ。…何をしていたんだ?」
オレは思わず聞いた。
「ああ。…イメトレ?クラトスさんがいないから、自習ってところかなぁ。」
…そうか。
コイツはクラトスから、修業を受けていたんだ。
クラトスは今、任務で船を降りてるから、自己鍛練をしていたんだな。
…全く。どこまでも真面目な奴だ。
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