君がいたから◆第1部◆

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ユーリは笑いながら話しを続けた。 「アッシュ、変わったよな。」 オレはユーリの言葉に首を傾げた。 何が変わったというんだ。オレは特にそんな自覚はないが。 「まぁ、ユイの影響なんだろうけどな。…前より目が優しくなってるよ。」 そんなふうに言うユーリに、パニールはコーヒーを置く。 「私もそう思いますよ。アッシュさん、以前よりずっと優しくなってます。」 聞いていたのか…。 優しくなった。 笑うようになった。 そんな自覚なんかもちろんなかった。 オレは…。 昼過ぎ。日も傾き、仕事に出ていた奴らも徐々に戻ってきた。 オレが甲板に出ると、ユイは剣を握りしめて瞳を閉じている。 立ち上るオーラは、夕日に溶け込むような綺麗さを放ち、オレは思わず見とれた。 改めてコイツがディセンダーで、オレなんかとは違うことを思い知らされる。 「ユイ。」 オレは無意識に声をかけていた。 「アッシュ。いつからいたの?」 ユイはオレにそう聞いた。 「…さっきだ。…何をしていたんだ?」 オレは思わず聞いた。 「ああ。…イメトレ?クラトスさんがいないから、自習ってところかなぁ。」 …そうか。 コイツはクラトスから、修業を受けていたんだ。 クラトスは今、任務で船を降りてるから、自己鍛練をしていたんだな。 …全く。どこまでも真面目な奴だ。
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