君がいたから◆第1部◆

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…だいぶ強くなったんじゃないだろうか。 クラトスの指導がいい。という前に、コイツの資質?…いや。こんなふうに真面目に鍛練した結果だな。 そんなふうに思っていたら、オレの肩にユイの剣が掠った。 「…っ痛!」 オレが顔をしかめると、ユイが慌てて駆け寄ってきた。 「ごめんっ!大丈夫?アッシュ!!」 ユイにそう言われて、オレは手で制した。 「このくらい全然平気だ。」 オレはそう言うと、立ち上がり、ユイの頭を撫でた。 「強くなったな。…これならクラトスが帰ってきても頑張ったと報告していい。」 オレがそう言っても、ユイは真面目な顔つきのままだった。 「まだまだだよ。…まだ、あたしが皆を守れるほど強くなってない。」 …コイツは自分に、『ここまで』という線を引かない。とことん。自分が納得するまで…。 全く。 頑張りすぎなお前を見ているこっちの心配も考えろっていうんだ。 「…アッシュ?」 ユイが聞いてきた。 「何でもない。…日も落ちた。もう夕食だろう。中に行くぞ。」 オレはそう言って、ユイを連れて中に入った。
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