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…だいぶ強くなったんじゃないだろうか。
クラトスの指導がいい。という前に、コイツの資質?…いや。こんなふうに真面目に鍛練した結果だな。
そんなふうに思っていたら、オレの肩にユイの剣が掠った。
「…っ痛!」
オレが顔をしかめると、ユイが慌てて駆け寄ってきた。
「ごめんっ!大丈夫?アッシュ!!」
ユイにそう言われて、オレは手で制した。
「このくらい全然平気だ。」
オレはそう言うと、立ち上がり、ユイの頭を撫でた。
「強くなったな。…これならクラトスが帰ってきても頑張ったと報告していい。」
オレがそう言っても、ユイは真面目な顔つきのままだった。
「まだまだだよ。…まだ、あたしが皆を守れるほど強くなってない。」
…コイツは自分に、『ここまで』という線を引かない。とことん。自分が納得するまで…。
全く。
頑張りすぎなお前を見ているこっちの心配も考えろっていうんだ。
「…アッシュ?」
ユイが聞いてきた。
「何でもない。…日も落ちた。もう夕食だろう。中に行くぞ。」
オレはそう言って、ユイを連れて中に入った。
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