君がいたから◆第1部◆

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「あまり思い入れないほうがいいぞ。」 オレの後ろから話しかけてきたのは、セルシウスだった。 「何の話だ。」 セルシウスは腕を組んだまま、オレに静かに話す。 「奴はディセンダーだ。いずれ役目を終えれば世界樹へ還る。あまり思い入れても、お前が辛い思いをするだけだ。」 セルシウスに言われ、思わずオレはセルシウスを睨んだ。もちろんコイツは動じない。 「…何の話しをしているかわからないな。」 セルシウスは鼻で笑った。 「…まぁただのお節介な忠告だ。」 セルシウスはそう言って、中に入って行った。 …ディセンダー。 世界を守る切り札として、世界樹が産み落とした戦士。 だから世界が元通りになれば、アイツは世界樹に還ってしまう。 だからそうなればもう、アイツとは離れてしまう。 …だから何なんだ。 …オレは別に…。 「アッシュー?何してんのー?」 ユイがオレを呼びに来た。 「アッシュなんか放っといて、向こうでオレとごはん食べようね☆ユイちゃん☆」 と言って、ユイの肩に腕を回したのはゼロス。 コイツは気に入らない。 「ゼロス…明らかにユイが嫌がってるじゃないか…。」 そんな二人の間に割って入ったのはクロエ。 ユイと同じくらいの小柄な体つきのくせに強い。 「クロエちゃーん☆わーい両手にお花☆」 そんな冗談をいいながら、ユイとクロエは食堂に連れられて行った。 ユイがチラッとこっちを見た気がするが、まぁ気のせいだろう。
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