木ノ下修平 来店。

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 「有り難うございました~!」  ペコリ  今日は土曜日。  土曜の午前中はスーツとネクタイとシャツのクリーニングセールの日で、店長いわく、『サラリーマン、OLさん、いらっしゃ~いデー!』だそうだ(笑)  そして、ようやく時計の針が12時を切った…!  いつまでも続いてた行列が途絶え、ホッとする。  隣を見ると、初めてのピークを終えて、脱け殻になっている松本くんがいた。  「お疲れ、松本くん♪どうでした?初ピークは?土曜は毎週こんな感じだから、覚悟した方がいいわよ」  背中を叩いて励ましてあげると、松本くんはげっそりした顔をして笑っていた。  「いや、ホント大変でした…。俺来る前は店長と2人で回してたんですか?」  「まぁねぇ。…でも、仕事に慣れちゃえばスピードも上がるから、大丈夫だよ!」  松本くんはそうかなぁ、という顔で、「はぁ」と返事をした。  これは完全に疲れ切ってるな…ハハハ。  「…店長がお茶入れてくれてると思うから、少し休憩しておいでよ」  「先に休んでいいんですか?」  「何、げっそりした顔で聞いてるの。しっかり休んでおいで!」  「すいません、有り難うございます」  松本くんはペコリとお辞儀をすると、休憩室の方に入って行った。  私は手を振って、いってらっしゃいと言った。  さて。  12時20分を過ぎたけど…。  いつもこの時間に、慌てて入ってくるお客さんがいる。  来るかな?  店内にある鏡を覗き込み、髪が乱れてないかな…とかチェックする。  これから、来るかもしれないのは、木ノ下さんというお客さん。  私は木ノ下さんに憧れている。ただの常連さんだし、世間話以上の事は話した事はないし、何も知らないのだけど、来てくれると嬉しくて、疲れもふっとぶくらい元気になってしまう。  木ノ下さんて、普段は何をしてるのか、聞きたくても…ちょっと恥ずかしくて…っ、聞けない~っっ  「あぅぅぅぅ~…」
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