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COSMOS REPORT No.07
あの子を連れ、夫と共に逃げだそうとした
その時でした。
私は兵に見つかり、銃弾を受けてしまったのです。
その時、あの子の悲しい叫びを
遠くで聞いた気がしました。
それと同時に、私の心に
ひとつの悪い予感が膨れ上がってきました。
あの瞳の奥底に浮かんだ、憎しみの色……。
予感は的中しました。
あの子の前に、小さな時空の歪みが生まれると
やがて歪みは、すべてを飲み込み始めました。
闇は異様なほどの大きさに膨れ上がり……。
そこで私は意識を失いました。
次に目が覚めた時、そこにあったのは
壊れ果てた研究所の姿だけ。
あの子と夫の姿は、どこにもありませんでした。
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