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COSMOS REPORT No.08
もともと我々は儀式によって
記憶を引き継いでいく一族の生まれでした。
夫の高い知識と技術力も、その特性によるものだったのです。
私は、逃走の際に利用するはずだった転送装置を使い
一族の元へと戻ることを決意しました。
このまま私が死んだとしても
この記憶は、引き継がれるべきだと思ったからです。
たどり着いた森の中、鷹の翼と呼ばれる街で
一族は、いまだ平穏を保っていました。
突如、この世界に現れた闇から逃れるべく
一族は彼の残した浮遊石を使い
街そのものを、天高く浮かべようとしていたのです。
私が事情を話すと、彼らはすぐに
すべてを理解してくれました。
そしてそのまま、記憶継承の儀式が始まりました……。
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