涼子の想い その壱

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教室へ移動中に早速声をかけた。 「ねぇ、名前なんて言うの?」 『……。』 イケメンな彼女はまるで聞こえなかったかのように行ってしまった。 (なっ何よ!!無視されたのわたし!?) 教室に移動して担任の挨拶が終わり各自、自己紹介をする事になった。 次々に紹介が終わり彼いや彼女の番になった。 スッと立ち上がった彼女の背は私と同じ位で高く、何より整った顔立ちと吸い込まれそうな程の綺麗な瞳が印象的だった。 『柊 琉希 です、宜しく。』 (うっ…良い声してんじゃないのよ! きっとさっきは聞こえなかったのよね?) 悶々と考えを巡らせているうちに自分の番がきた。 「初めまして、優木涼子 です 特技はバレーボール、趣味はバレーボール観戦です、よろしく!」 自己紹介を終え窓際の席の彼女を見るとつまらなそうに外を見ていた。
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