トキワシティ

9/26
前へ
/67ページ
次へ
「おはようございます、レッドさん。」 まだお日様がちょこんと頭をだしたばかりの朝、外でポッポがうるさく鳴いている。 「…おはようございます、コノハさん。」 オレはあくびをこらえながら言った。 大きく伸びをし、窓から少し見える太陽を見て、 「なんでコノハさんがいるんですか!?」 おかげですごく目覚めがいいけど。 「いや、早く返事をして欲しくて。」 返事? ああ、あのことか。 「…まさか忘れてました?」 まさか、ちょっと心の迷路に迷っただけさ。 「いえ、覚えてますよ。フシギダネのことですよね。」 その言葉にホッとため息をつくコノハさん。 「よかった、覚えていてくれて。それで返事は?」 「もちろんもらいます。」 嬉しそうに微笑むコノハさん。 「ただし1つ、条件があります。」 オレはコノハさんの顔の前で人差し指を立てた。 「条件?何かしら。」 「フシギダネを一回逃がしてください。」
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加