106人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前で陽一が
死んだ様な
目をしている。
そんな陽一の姿に、
晃司はどうしたら
良いものかと
困り果てていた。
陽一は数日前、
三年と四ヶ月と五日の間
交際していた恋人に
一方的に振られたらしい。
「誰が悪い?
俺が悪いのか?
俺か?
何故だ?
俺は悪くない
だって俺は愛してた
本気で愛してた
愛してたのに
何故だ何故裏切る
裏切られたのか俺が?
俺は…俺が…」
何処を見ているか
判らない表情で
ブツブツと
呟き続ける陽一に、
晃司は今日も
何もしてあげられないまま
「今日はとりあえず
帰るから、
早く元気出せよ。
また明日来るから」
と言って立ち上がった。
陽一も少しは悪いと
思ったのか、
「ああ…スマン」
と一言だけ返事をして、
そそくさとベッドに
潜り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!