異変

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陽一の失恋から 一週間が経ち、 晃司はいつもの様に 陽一の家に行くと、 突然小さな声で 呼び止められた。   「滝沢君、 ちょっとお話 したいんだけど…」   声の主は陽一の 母親だった。   陽一の母親に 言われるままに ダイニングキッチンに 入るなり、 彼女は小声で話し始めた。   「陽一の様子が 最近変なんだけど、 滝沢君、 何か知らないかな…?」   「…前にお話は してあると思いますが、 あいつ失恋して…」   「それは知ってる。 そうじゃなくて変なの…。 昨日あたりまでは 失恋で落ち込んでる感じ だったんだけど…」   晃司は何か… もの凄く嫌な寒気を感じた。   「どういう事ですか…?」   晃司がそう聞くと、 彼女はジーンズの ポケットから 一枚の紙切れを 取り出した。   それは何処にでもある、 大学ノートの 一ページだった。
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