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「読んでみて」
言われた通り、
晃司は折りたたまれた
紙を広げ目を通した。
そこには
「我が最愛の恋人
宇賀神夏美を利用し、
私に悪性の精神電波を送り
日々の苦痛の日々の責任は
暗黒組織の陰謀なる作業。
電波遮断と
夏美救出の為の
機械製作にあたり、
滝沢晃司以外の
部屋への出入りを禁止する」
と、書かれていた。
晃司は言葉を失いそうに
なるのをこらえ、尋ねた。
「冗談ですよね。
あいつ…
ふざけてるんでしょ?」
彼女は今にも
泣きだしそうな声で答えた。
「いつの間にか
キッチンのテーブルに
置いてあったんだけど…
私もふざけてるのかと思って
陽一に聞いても…
全然答えないし
部屋からも
出てくれなくて…」
ついに彼女は泣き出した。
目の前で
親友の母親に泣かれ、
気まずくなった晃司は
「陽一に会って来ます。
きっと冗談ですよ」
と言い残して
その場を離れた。
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