《真冬のナガレボシ》

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            大学の帰り道。 寒さでかじかんだ手を温めていた時、キミの顔が浮かんだ。 『わぁ、冷たぁ~い』 僕のかじかんだ手を包んで、苦笑いして。 『あ、こうすれば温かいかな?』 そう言って、僕の手を握って、僕が着ている上着のポケットに入ってきた。 少し驚いて、キミを見る。 『温かい?』 いい考えでしょ?と言うように、満足そうに微笑ってくる。 それに何だか笑えてしまって。 僕はひとつ、頷いた。            
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