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「はぁ…」
彼はため息をついた。
今、彼はなぜか学校の屋上にいる。
空を眺めながら、横になっていた。
「つまんねえな…現実って」
そう呟いたあと、先生方が屋上に来た。
「黒崎!何授業サボってるんだ!」
先生方が彼に怒鳴った。
「別にいいじゃないスか、俺がいない方が授業進むんだし」
と少年は反論した。
「……ハァ。お前の事情もわかる。だがせめて出席だけはしてくれよ」
彼の名は黒崎龍斗。
年は、16。
頭脳明晰、スポーツ万能、容姿淡麗という一種の天才である。
ちなみに、ついたあだ名がF○ⅦACのクラウ○。
性格を除けば、外見のほとんどがク○ウドに似ているらしい。
だが、天才の中でも世界で知らないやつはいないという程の有名人だった。
「嫌ですよ。俺が出席したら全員非難的な目で見るんですから」
と体を起こして言った。
「いや、しかしだな…」
「もう、いいです。今日は早退しますんでよろしく」
そしてまさかの学校の屋上から飛び降りた。
そして、そのまま校庭を走って校門から出て行った。
「まったく…何なんだアイツは」
先生方はあきれていた。
龍斗は確かに全ての方面で今までにない記録を残していた。
だが、どれもが人間の常識の範疇をはるかに超えたものであったので、それ故に世間から疎まれ、「化け物」と呼ばれ今に至る。
「ほっほっほ、いいじゃないか」
「校長」
校長は笑いながら屋上に来た。
「あの子は頑張っている。自分の才能が嫌になるほど高いということも知っておる」
「ならば何故行かせたんです?校長なら止められたでしょう?」
先生方はそう返した。
「……あれはしばらくは好きにさせなさい」
「はぁ…そうですか」
先生方は屋上から立ち去っていった。
校長は空を眺めながら、
「絶対的な才能は人を孤独にする。その点は理解しているはずなんだがのう…」
と呟き屋上から立ち去った。
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