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ローブの人間は目を見開き、
「無茶です!あなたは死にたいんですか!?」
彼を止めようとしたが脚に力が入らない。
「いいよ、無理すんな。そこで見てろ」
そして龍斗は獣の大群に突っ込んで行った。
「やめ……!?」
ローブの人間は、さらに大きく目を見開いた。
「奥義--神月連舞(シンゲツレンブ)」
その奥義の名を口にした瞬間、大量の獣たちが一瞬にして、切り刻まれた。
「すごい…あれだけの数を一瞬で…」
ローブの人間はその技に見とれていた。
三日月を描いているようなその技は、次々と獣たちを一瞬で切り刻んでいく。
だが、獣たちが一カ所に集まり始めた。
「あれは…?」
龍斗は、一度攻撃の手を休め、その動きを観察した。
獣たちは一カ所に集まり、人の形に成っていく。
やがて、1人の人が完成した。
「フウ…まさか、ここまでやるとはな…」
その人は、まるで狼をそのまま、人にしたような感じだった。
「アナタは…!!」
ローブの人間は叫んだ。
狼男はそれを鼻で笑って返してきた。
「我が名はガルマ。人間の小僧よ、思ったよりやるではないか」
ガルマは龍斗に向かって言った。
龍斗は口を大きく開けて、驚いていた。
「え、あれ何…」
と、ローブの人間の方を振り向いて、訪ねた。
「……あの者はガルマという魔族です。魔王に仕える、特攻隊長…というところですね」
と、顔をしかめながら話した。
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