過去編-出会い-

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「ふーん……」 何を考えたのか桜はラグナに向かって矢を放つ。 だが、ラグナにたどり着く前に、矢は消えてなくなってしまった。 「……何のマネだ?」 「ごめんなさい。本当に魔法使いだったんですね」 桜は弓を家内の者に収めさせると、ラグナに謝罪した。 「まあ、悪気がないのなら別にいいさ」 「すいません、ホント。じゃ、ご飯食べて下さいよ」 食堂に案内されそうになるが、その前に龍斗がピタリと立ち止まる。 「……待て、飯って作ったの誰だ」 「え?アタシだけど?」 龍斗、猛ダッシュ。 「じゃ、俺部屋に戻るわ!」 「逃がさないわよ!確保ぉ!」 龍斗が執事や、メイド達に取り押さえられ食堂に連行される。 「嫌だあァァァァ!まだ、死にたくねーんだよォォォォ!離せ、離せー!」 「龍斗殿、諦めて下さい。道連れは必須ですから」 「すでに諦めるぐらいならアイツに料理をさせないでくださいよ!!」 「私達は使用人なので……」 「便利ですねぇ、使用人!!」 龍斗の抵抗むなしく、食堂に連行されるのだった。
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