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「えー美味しいのにー」
と言いながら他の料理をパクパクと食っていく桜。
「何であんな痛いの食えんだよ……」
と言いつつも、料理を食べていく龍斗。
食べるたびに火をはいている。
………哀れだ。
「ラグナも食べて~」
桜に進められる。
「…………」
チラッと龍斗の方をみる。
「…………」
目が“食わないと俺が死ぬ”と言ってる。
かつて、料理を食べるのにここまでためらった事があっただろうか。
「………いただきます」
ラグナは一番近くのグラタンに手を伸ばし、口に入れる。
その瞬間、口の中に激痛が走る。それを、魔力で中和する。
「美味しい?」
桜が、期待の視線を送ってくる。
「ああ、美味い」
「良かった~」
龍斗が小声で話しかけてきた。
“……大丈夫なのか?”
“自分の魔力で中和した”
“うわ、汚ねぇ!!”
“しかし、食べたら痛いって…どんな料理だこれは…”
“ある意味、これで人殺せんじゃね?”
“確かに……”
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