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「おっはよー!朝から廊下とキスなんかして楽しいの?」
コイツ、田口巫女『ダグチミコ』は自分がやった事をもう忘れたのか?病気だろ、いや本当に。
無邪気な笑い声をたてながらコイツは俺の上に座る。
重い…。口には出さず心の中だけで思う。
以前、今と同じような事が起こり、コイツに向かって、
「巫女、重いし制服汚れるから早く退いて」
と言った直後、気がつくと保健室に居た事があった。
目が覚めたその日はもう昼を過ぎていた。
今でもあの時何が起こったか覚えていない。
だがとりあえず巫女を怒らせてはダメなんだ、と言う事だけ学習した。
「制服汚れるから俺の上に座るな」
「え?あ、ゴメーン」
笑いながら立ち上がり、俺の上から退くと俺は制服に付いたゴミを払った。
巫女がする事はわざとやっているかやっていないのか本当に分からない時がある。
いや、大方分からないのだが。
この前なんかコイツ笑いながら、授業中に教師に向かって何処にあったのか数個の水風船を投げていた。
理由を聞かれるとコイツは無邪気な笑顔で、
「授業がつまらなかったからです」
と言った。
その笑顔の裏には、
「また、つまらなかったらやるからな」
と言う脅しの意味もあったかもしれない。
それ以後、水風船を投げられた教師、林太郎『ハヤシタロウ』の数学の授業は分かりやすく且つ少しだけだが面白くなった。
「さ、ボケッとしてないで教室行くよ!!」
ボケッとしてたのはほとんどお前のせいだけどな。
そう思いつつ、俺は巫女に腕を掴まれ教室に引っ張られていった。
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