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食卓の席に着くと母さんが、
「ご飯とパンどっちがいい?あ、私でもいいよ?」
「ご飯」
「即答しなくても…」
そう笑って言って、ご飯を茶碗に盛る母さん。
息子にそんな事聞くんじゃねーよ、馬鹿。
やって来た茶碗を受け取りいただきますと言い食い始める俺。
「あ、私今日友達と遊ぶから夜宜しくね」
晩飯と洗濯か。まぁいつもしているから何ともない。
「ラジャ」
「父さんはいつも通り遅いと」
いつも通り。
変わらない話。
変化なんか望んでないからいいが。
だか今日の味噌汁は美味い。
いつもより味が深い。
「何故?」
「おばあちゃんから高ーい味噌貰ったのー。美味しいでしょ!」
読心術か、この野郎。
とりあえず俺は頷く。
あれ、この鮭も美味い。
「その鮭はーお父さんの仕事仲間の人からの主張先のお土産なの!」
テンションが高い。てか箸で俺の鮭を指すな。それにまた読心術かよ。
こんなに朝から良いことあって良いのだろうか。
不吉だ。不安だ。
「あーんしてあげよっか?」
寒気だ。
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