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俺と冥はそこら辺にいる学生が話すような他愛もない話をしながら学校まで歩く。
周りには同じ制服を来た学生を見かける。顔も名前も知らないが皆同じ学校なのだろう。
「ねぇー宿題済んだ?」
冥がこちらを見ながら話し掛けて来る。
前見ないと危ないぞ。
「あー…多分終わった」
「……多分って何?」
「多分は多分だ」
もー…、っと言ってふて腐れた様に前を向く冥。
いや、だって本当に覚えてないんだから仕方ないじゃないか。
途中までやってたのは覚えていたんだが…。
そんな事を考えていると目の前には俺達が通う桜峰高校、正式名『桜峰高等学校』があった。
この学校はこの町でも有数の進学校……ではなく、普通レベルの高校だ。
普通レベルの高校と言うわけで普通レベルの俺にピッタリと言うわけだ。
勉強もそこそこして、合格した時の成績もそこそこと本当に普通レベルな俺。
それに比べ冥は中々な馬鹿なんだよな。
塾とかは金がかかるから行きたくないとかで俺が教える事になったし…。コイツ本当に馬鹿だから教えるのは苦労したよ…。
……で、ギリギリの成績でこの学校に合格。今も馬鹿だからたまに俺が教えているという始末。
正直、俺も普通ぐらいだから人に教えれるレベルではないのにな…。まぁ、俺はちゃんとした家庭教師を頼んでいるから着いて行けているわけだが…。
ああ、後半はぼやきになってしまったな。反省反省。
「うわ…まただよー…」
この冥の『また』とは、まぁ冥は俺から見ても可愛いわけであって…ファンクラブとか出来ちゃってるらしい。……馬鹿なのにな。
まぁ、馬鹿は置いといて……で、そのファンクラブの奴らが毎朝校門に冥を待ち構えて花束を持って告白してくんだよな。……なんか趣旨が違う気がするんだよな。
「冥さん!おはようございまーす!!今日も一段と可愛いですね!!付き合って下さい!!」
コイツはファンクラブNo.1、滝垣隼人『タキカキハヤト』。
コイツがファンクラブを結成した張本人だ。迷惑極まりないな。
「やだ!!」
「ああ、冥さんの声は今日も綺麗だなぁ」
いつもながらキモいな。
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