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それにしても本当にめげないなコイツ。何回失敗したのか分かってんのか?
「なぁ、今日はお前だけなのか?」
「いーや、今日は皆、冥さんの下駄箱で待機中だ」
「……だったらなんでお前がここにいるんだよ」
俺の言葉を聞くと滝垣は待ってましたの満面の笑みで笑いやがった。
しまった、罠か。
「よくぞ聞いてくれた!!話せば長いんだがな簡潔に纏めよう!!
先ずは…」
ああ、これだけでも長い。損した気分だ。
ふと、冥の顔を見ると心底嫌そうな顔をしていた。
俺の視線に気付いた冥は早く行こうよ、と言いたげな顔をする。
いや、でもなー…コイツ…頑張ってるし…。
などと思っている間も滝垣は冥への気持ちを力説する。
本当に大衆の面前でこんな事出来るな。近くにいるだけでも恥ずかしいのに、言われてる本人の冥はもっと恥ずかしいだろうな。
滝垣の力説が続く中、下駄箱の方から集団が走ってこっちにやって来た。
ん?いつもより人数多くないか?
2、30人はいるぞ?見間違いを祈りたいな。
「「「「「冥さーん!!」」」」」
やはり、見間違いではなかったか…。
あれだけの人数で冥の名前を同時に叫ぶなんて本当にキメェな。
「「「「「あと隣の男死ね!!」」」」」
お前らの中に俺の名前知ってる奴いるだろうが。せめて名前で呼びやがれ。
あと死ね。
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