白い涙

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ハイハイ、興味ねぇっつうの。 俺は鈴木の方をみたら、鈴木も興味が無いのか、ずっと首を斜めにしていた。 結局授業の半分は先生の恋愛談で終わった。 この間なんて丸々一時間、先生の恋愛談だったことあっかんな!? アレは地獄だった…。 放課後、まだまだ終わりの見えぬ週末課題を黙々と俺はやっていた。 昨日の夜、よっしゃあ!やってやるぜ!ってなったが、お笑い番組を見て、おもしろカッコイイゼ☆!!状態になって出来なかった。 くそ、見なきゃ良かったぜ…。 後悔しても既に遅いので、集中して英語の週末課題に取りかかる。 俺は不意に、喉が渇いた。と思ったので、教室からサイフだけを出して、自動販売機に向かった。 数メートルの距離をすたすた歩いていると、普段使われていない教室から、明かりがもれていた。 誰かいるんだ、と思った俺は中を覗き込んだ。 そこには、鈴木が立っていた。 俺は立ち止まる。 じっと中の様子を見たら、彼女はまた泣いているようであった。 また一人で。 彼女は黒色の棒みたいなものを持っていて、その目の前には、譜面台があるようだった。
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