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俺は心の中で納得しながら、渋々立ち上がる。
「じゃあ俺着替えっから、鈴、早く外に出ろ」
「じゃあ早く起きろよ」
と、鈴は毎度同じ捨て台詞を吐き捨て、俺の部屋から出て行った。
鈴と俺の関係は、ただの幼なじみ。
親同士が仲良しなので、昔から一緒に遊んでた。
俺は長袖のワイシャツを着て、黒の長ズボンを履く。
カーディガンを着るかどうか悩んでいたら、ノックも無しに扉が開く。
「あのさぁ~、カーディガン着るか悩んでる暇あったらさっさと飯食えや」
「鈴、ノックぐらししろや!」
鈴は明らかに不機嫌だった。
「あんたいったい今何時だと思ってんの?」
俺は時計を見ると、7時であった。
「なぁんだよ。まだ7時じゃねぇか」
「馬鹿か。あれは壊れてるって言ってたでしょ」
そういえば俺の部屋の時計壊れてんだった。
「じゃあ今何時なんだよ」
「7時40分」
・・・・・・。
「遅刻だぁー!!」
「健太のせいだ」
「つうか早く言えよ!!」
「健太が着替えるって言ってから20分も出て来なかったのが悪い」
結局俺は、朝食を食べられずに学校へ向かった。
「そーいや鈴、今日は眼鏡だな」
普段はブスになるからコンタクトって言ってんのに。
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