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結局、俺は訳のわからないモヤモヤとイライラを胸に家に帰ることにした。
「あれ、健太もう帰んの?」
「鈴…」
正直今は鈴と顔を合わせたくなかった。
「だって…学校終わったし」
「とかいっていつも中原たちと教室で遅くまで騒いでんじゃん」
「あ、あぁ…。今日はそんな気分じゃねぇし」
中原見るとイライラするし…。
「なんか…健太らしくないね。どうした?」
何で中原と付き合ってんの?なんて聞けるはずもない。
「いや、ただ眠いだけ」
「あっそ。じゃあ一緒に帰ろうよ」
「えっ?何で俺と?」
中原と帰んねぇの?
「家近いし、一人で帰るより健太と帰る方が楽しい。ただそれだけ」
なんだよそれ…。
お前は中原と付き合ってんだろ?
“俺の鈴とベタベタしないで”
俺は中原の言葉を思い出し、無言で自転車を漕いだ。
後ろを見たけど、鈴はいなかった。
やっぱり中原と帰んのかよ…。
俺は鈴にもイライラしながら家に帰った。
「ただいまぁ~」
「お帰り~」
「あ、兄貴いたの?」
「今帰った~」
兄貴も同じ腹から生まれたはずなのに、身長は180cmぐらいある。
「あれ?鈴ちゃんいないの?」
「は?なんで鈴?」
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