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俺は考えた。
何で中原にイライラするか、鈴にモヤモヤするのか。
幼なじみなんだから好きは当たり前。
でもその好きはlikeじゃなくて、
loveだ。
俺は走って家を出た。
「…若いっていいねぇ~」
と呟いた健太の兄だった。
俺は鈴が家に帰っていることを願いながら、チャイムを押した。
すぐに戸は開いた。
「お、健太。どうした?」
本人が出てきたので、ドキッとしてしまった。
気持ちが変わるだけでこんなにも見方が変わるのか…。
「いや、ちょっとお前に話が」
「あっそ。いいよ、上がりな」
俺は鈴にしたがって家に上がった。
「おばさんいねぇの?」
「健太のお母さんと買い物だってさ」
と、ということは…二人きり!?
いや、落ち着け!
だいたい、いつも家に二人きりだろうが!
な、何か落ち着かない…。
「何か飲む?」
「あ~…。セルフで」
「セルフ?何でもいいってこと?」
しまった!緊張のあまりわけわからない台詞を!
「健太…大丈夫?本当に何かあった?」
鈴が俺に近づく。
普段から嗅いでる匂いのはずなのに、意識しながらはきつい…。
心臓が破裂しそう…。
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