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「美雨ちゃんは、ちょっとここで待っててね」
ちょうど子供向けのテレビが放送されていたので、美雨ちゃんにはそれを見てもらい、俺たちは別室で大人の話をすることにした
「あの……美雨ちゃんのお母さんっていまどんな感じなんですか?」
「今はだいぶ落ち着いたので自宅療養してますが、週に4回精神病院に通院しています。」
「なるほど……それじゃあ現段階で引き取れる可能性は低いってことですね」
「はい。あ、あのお金は月にいくら振り込めばいいですか?」
「うーん……俺も仕事をしているし幼稚園に通ってもらうとすると5万くらいですかね」
本当は10万くらい欲しかったけど、金の為に美雨ちゃんを引き取った訳じゃないので必要な金額だけもらうことにした。
「え、幼稚園?美雨っていま7歳ですよ……」
「え?」
いやいや、見えないだろ!?近年女の子の幼女化が進んでいるのだろうか……てっきり幼稚園児だと思ってた。
「まあ小学校も幼稚園も大差ないですよ。」
恥ずかしさを笑いで誤魔化しながら俺は答えた。
「あと養子の手続きなんですが……」
すっかり忘れてたけど美雨ちゃんを養子にするんだったな
「それは明日にでもしたいと思ってます。」
「これで美雨は施設に入らなくてもいいんですね」
また泣きそうに……見た目とは裏腹に涙もろい人なんだな。
「ちょ…泣かないでくださいね。あの……こういう時は笑えばいいと思うよ。」
「そうですね……大変なのは美雨だし、私が泣いてたら美雨まで悲しんじゃいそうですしね。」
エ○ァネタだとは多分理解してないだろうが、まあいいや。
有紀さんは涙を拭き満点の笑顔を見せてくれた。
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