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「実は美雨のお父さんは1ヶ月ほど前に事故で亡くなりました。その保険金が1億です。」
驚いた……ただその一言だった。こんなことが現実に、しかも俺の近くで起きているなんて……
「そ、その…お母さんは?」
「結花は旦那さんが亡くなったショックで自暴自棄になり、ついには実の娘に暴力をふるい始めて……」
これでさっきまでの美雨ちゃんへの質問のつじつまがあう。だから美雨ちゃんはさっきお母さんのところに帰りたくないと言っていたのか……
「私、美雨が可哀想になって……親戚をあたったんですが全員に断られてしまって……でも施設とかには入れたくなくて……」
受話器越しだったが彼女が泣いているのははっきりとわかった
「…………」
「それで結花には美雨を施設に入れたって言ったんですが……」
「はぁ……」
今まで彼女すらできたことが無い俺だ、確実に大変なことだというのはわかりきっている。でも俺も男だ、決断をすることにした。
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