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✨アル✨…君の面影…
最近同じ夢をみる。
いつもぼくは兄さんとおんなじ部屋に二人で立っているんだ。
何かを一生懸命話して…いや。つぶやいているんだ。
何?兄さん?
何を話してるの?
兄さんの声はよく聞こえなくて…近づいたりしてもみたんだけど、その声の音量は変わらなかった…。。
『アル…………』
僕の名前を言っているのは確かなんだ。でもその後が聞こえない。
兄さん、僕に何が言いたいの?何を伝えたいの?
つぶやいといる兄さんはとっても苦しそうで。つらそうで。
『アル……ごめん。』
一瞬だったけど聞こえた。
『俺が守ってやれなかったから…俺が体ごともっていかれればよかったのにな……。お前は俺を怨んでるんじゃないかって…怖くて…怖くて…。。』
「兄…さん?」
この夢を見始めて初めて兄さんの言葉を聞き取れた。兄さんは目に涙をためていた。
『アル…ごめん…アルッ』
必死にそれだけを繰り返す。兄さんはこんなにも追い詰められていたのか……そんなそぶりみせないから全然気がつかないよ。。
「僕が兄さんを怨むわけないじゃないか。」
『…ック、ヒック…』
子供の様に泣きじゃくる自分の兄。
「もう…大丈夫だよ…」
そう言って兄さんを抱きしめた。。
『……ありがとう…』
そう一言いってから兄さんは少し微笑んで消えた。。
ありがとうは僕の台詞。兄さん、一度は僕は作られた存在なんじゃないかとか馬鹿な事を考えたりもした。でもね。今はよく分かるんだ。
僕と兄さんは繋がっていてお互いに必要としてる事。
でも、そのお互いの存在がお互いを苦しめてる事。
そして、僕の存在が偽物なんかじゃないって事。
だから言いたい。。
「兄さん…ありがとう…」
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