全ての終わりは突然に ~The count ZERO~ 一

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それは、六月の気温には少し暑すぎるだろうと言うような、全身を覆い隠す程の、真っ黒な衣を羽織ったという出で立ちだった。 顔も見えないように、頭から羽織っている。 顔の辺りの部分だけが衣によって隠れていない。 まるで真昼の砂漠を横断しているかのような服装だった。 だが唯一隠れていない顔も、衣と電柱の影によって、今は見ることが出来なかった。 身長はそこまで高くない。 電柱と比較して見ると、織田雄夜よりも何十センチか低いように見えた。 ちなみに、織田雄夜の身長は一六八センチメートルである。 男か女なのかは、全身を隠しているため、当然わからない。 右肩の辺りには、何か長細い棒状のような物が見えた。 そして、その先には三日月を真っ二つにしたような形をした何かが取り付けられ、それは薄汚れた包帯状の布で覆われていた。 布で綺麗に覆われているため、それが何なのかは窺うことはできないが、大きさは優に所持者の身長の半分以上はある。 先から棒の結合部分までは、1メートル以上はあるように見えた。 大きさが大きさなため、布で覆われているとは言え、それには十分な存在感があった。
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