梅雨、小雨の朝

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☆ …そういえば谷口はもう来てるんだろうか。 「さぁね。でも谷口の事だからギリギリで入ってくるか遅刻でもしてくるんじゃない?」 …そうかもしれんな。 そんな会話を国木田と交わしながら歩き、教室にたどり着く。 引き戸を開け自分の席の後ろを確認すると、案の定我らが団長涼宮ハルヒは、『私、不機嫌です』の昇りをまさに立てているような雰囲気で、自分の席で貧乏揺すりをしていた。少し離れた所で、クラスの女子二人組がハルヒの方を見て何かこそこそ話している。…頼むから今はこれ以上あいつを刺激しないでほしい。 このただならぬ様子を国木田も察知したのか、 「じゃあキョン、今日も頑張ってね。」 と苦笑いしながらそそくさと自分の席へと向かって行ってしまった。 俺は朝からもう何度目になったかもわからない大きなため息を吐きながら、やはり重い足取りで、自分の席へと向かうのであった。
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