サンセット

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――頬が赤く染まったら 遊ぶのは 終わりにしようか 気まぐれな白猫 僕の腕からすり抜けて行く 愛らしい鳴き声だけ残して 一人になったから 苦い珈琲喉に流し込む いつでも 迎え入れられるように おかえり また目立たないとこ汚して 綺麗に舐め取ったつもりだろうけど ほら 真っ白に戻してあげる おいで 気まぐれな白猫 大人しく撫でさせてくれる 愛らしい声で鳴かないけれど 二人になったから 甘いミルク飲ませてあげる いつでも 腹が空かないように どうしたの どこも汚れていないのに 狂ったように身体をしきりに舐めて ほら ちゃんと綺麗だから おいで 気まぐれな白猫 伸ばした手を引っ掻いた 僕は悲しくて悲しくて おかえり 甘えたいだけなんだろう 真っ白じゃなくても綺麗だから おかえり ずっと腕に抱かせてくれ どんな我が儘だって許すよ 可愛らしい声で 鳴いてくれ ほら 真っ白に戻してあげる おいで ――頬が赤く染まったから 遊ぶのは もう終わりにしようか
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