偽善愛

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白いタイルに、大きめの浴室。 金色の蛇口に、壁に画かれた趣味の悪い絵。 ジャグジーの付いた浴槽に熱い湯を並々にためたら、今日の殿方を風呂に誘う。 しゃがれた地声を隠して、喘ぐようなかわいい声で呼ぶんだ。 洗ったら乾燥肌の私はカサカサになっちまう安いボディソープを手で器用に泡立てて、握り潰したくなる衝動に駆られながら男のブツを丹念に洗う。 浴槽から溢れだすお湯を見つめながら、遠い目をしていい女を演出する。 嫌になるくらい幾度となく重ねる唇のせいで私の唇は年中ガサガサに荒れっぱなしだよ。 白いバスローブを下着も着けずに羽織り 揺れれば軋むベッドに横たわり部屋の証明を暗くすれば……… ほらね。 男は誰だって私の胸に顔を沈めたがる。
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