第二話

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亮は、一瞬キョッとしたようだったが、すぐに同じように笑みを浮かべ『うん』と一言言って前を向いた。 何となく見上げた彼の横顔…空港で初めて見た時からカッコイイと思った。ジーンズにパーカーという、極普通の格好なのに、何であんなに目を引くんだろう? そして近くて見ると、襟元にかかるぐらいなサラサラの黒髪、意外と長い睫毛、ニキビ一つないスベスベの肌、羨ましいな… なんか負けた気がして、俯いていると、心配そうな声が聞こえてきた。 『どうした、気分でも悪いか?』 性格までいい、駄目だ…完全敗北だ! なんて心の中で変な勝負して、しかも勝手に負けちゃって黙り込んでしまった私に今度は焦ってる。 『おい、平気か?車停めようか!?』 何だか申し訳なくなってきて適当に言い訳をした。 『大丈夫、身体は平気。ちょっとこれからの事色々考えてただけ』 『そか………慣れるまで一緒に居てやるから、分からない事あったら、何でも聞いて……まぁそういう約束だし。』
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